子育てママのブレイクコーナー
vol.11 男の子と女の子の違い
1990年代の半ばごろから、内科医で心理学者であるレナード・サックス(アメリカ)のもとに、「注意欠陥障害」の疑いがあるとされる小学校の二学年、三学年の男の子がつぎつぎとやってくるようになったそうです。
しかし、ほんとうに必要なのは、「注意欠陥障害」の薬ではなくて、女の子と男の子の生来の学び方のちがいを理解している教師だった、と彼は述べています。
聞く能力にも性差があるそうです。
7歳の男の子が、教室の後ろの方に座っているとします。先生が女性で、本人がちょうどいいと感じる声でしゃべります。先生の声がほとんど聞き取れないせいで、男の子は窓の外を見たり天井を眺めたりします。すると、先生は、彼が注意欠陥障害ではないかと考えます。 そして、病院での診察をすすめられ、そこで薬を投与される場合もあります。
この場合、男の子を一番前の席にすれば問題が解決することもあるそうです。
また、30年前に比べて、日本と同様にアメリカの幼稚園でも学習面に偏る所が増えています。
しかし、五歳の男の子の多くはまだ、文字を書くのに細かい手先の能力をもっていません。
ここで、子どもの発達に応じてやり方を変えると、別の問題が生じます。
学習カリキュラムをこなせないため、遊びのグループに入れられた子は、自分が「ばかなほうのグループに」に入れられたと察してしまうそうです。
『男の子の脳、女の子の脳』レナード・サックス著2006年発行より
男子2児の母としては、衝撃の内容でした。
うちの子が、もし小学校に入学して「落ち着きがない」と言われた場合、まず席を一番前にしてもらわなければ…
次男は早生まれの負けず嫌い、通っている幼稚園には学習面のカリキュラムもあります。
本人が自信をなくさないようにフォローしなければ…
と気付かされた興味深い内容の本でした。
言語や細かい手先の能力をつかさどる脳の部位は、女の子では男の子より六年ほど早く成熟するそうです。
女の子と男の子の脳の発達の仕方のちがいや、学び方のちがいを学校が理解していないために、男の子だけでなく、女の子が不利な立場に置かれる場面もあります。
その内容については、また次の機会に紹介したいと思います。
- プロフィール
- 二男児の30代ママ
教育学部卒、表現文化専攻修了。 インターナショナルスクールの国語教師や、塾業界、保育士を経験。
第一子妊娠後は、専業(教育ママ)主婦をしています。
このコーナーでは、二人の怪獣とたわむれながら感じた事、今まで読みあさった教育関係の本や育児本から『ふむふむ、なるほど〜☆』と思った事など、お伝えしていけたらなと思っています。